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今がWi-Fi6を選択する絶好の時期

Perry Correll Director, Product Marketing Published June 18, 2019

今がWi-Fi6を選択する絶好の時期

 

2019 年 5 月 29 日発行

11ax対応APの出荷開始以来、筆者は定期的に次の質問を受けています。「11axに関するIEEEの標準化とWi-Fi Alliance(WFA)の認定はまだ完了していません今すぐ11ax 対応製品を購入して大丈夫でしょうか?」

パートナー、顧客、さらにアナリストからもこの質問を受けてきました。その大きな要因となっているのは、このような状況で、有効なWi-Fi6ソリューションに対処する必要のある競合他社です。おわかりのように、この種のWi-Fiベンダーは米国でよく知られている「Marketing 101」の手法を単純に使用し、標準化が完了していないという理由で待つように説明しています。あるベンダーがソリューションをリリースした時点で、そのようなソリューションを提供できていない他のベンダーは、「標準化が完了するまで待ちましょう」と言います。

ただし、そのようなベンダーは自社が製品の出荷を開始した直後にメッセージを切り替え、「現時点で標準化は確定に十分近付いています。当社の製品を購入しても大丈夫です。」と説明します。私は、「11ax/Wi-Fi6製品をいつ購入すればよいのか」というトピックに関し、多数の個人に状況を説明する形で取り組んできましたが、11axの標準化と Wi-Fi6の認定を定義するプロセスを説明して的確な理解を図り、現在どの段階にいるのか紹介するうえで、このブログが役に立つと考えるようになりました。

標準化と認定プロセスの背景には何があるのか?

筆者はIEEE11axとWFA Wi-Fi6両方のタスク グループのメンバーですので、標準化と認定の策定に関係するプロセスを皆様に紹介し、インサイトを提供します

簡単に言うと、この場合の出発点は IEEE で発生した、802.11規格に関する次の拡張というアイデアでした。このプロセスが実際に開始されたのは、Interest Group (専門グループ)が設立された 2013年ごろです。複数のIEEEメンバーが十分な関心を抱いた場合、Product Authorization Request (PAR、製品承認要求)の作成とレビューが実施されます。承認された場合、作業部会が設立されます。この作業部会は、Wi-Fi業界に属する複数のIEEEメンバーで構成されています。チップ製造元、APベンダークライアント デバイス製造元などが部会のメンバーになっています。

この作業部会の業務は規格草案を策定することであり、週ごとに非常に多くの回数の招集を行い、多人数の対面会議を開催しますが、多くの場合は数年にわたってこれらの招集と会議を継続します。包括的な話し合いを行った後、802.11axの原案1を公表し、次いで各メンバーが承認の目的で投票を行うほか、コメント投稿という形で意見を表明します。

次のレベルへ進むには大多数の賛同が必要なので、最初の草案がそのまま通過することを誰も予期していません。11axの場合、最初の草案は賛同の投票がわずか58%にとどまったために採択に失敗し、数千件の意見が表明されました。意見は、文法の修正のように単純なものから、非常に複雑な技術的懸念まで多様であり、これらの各意見を作業部会で解決する必要があります。 

草案2の策定に関しても、週ごとの招集と対面会議を繰り返し、各意見について議論と投票を行って解決しました。すべての意見を解決した後、投票を再度実施しました。草案2も同様に、適切な採択/不採択の基準に達せず、数万件の意見が表明され、草案3でそれらすべてに対処する必要が生じました。

もう一度、意見の解決および投票というプロセスを繰り返しましたが、同じく不採択という結果に終わりました。より多くの意見表明と、より多くの議論が行われ、最終的に草案4をまとめました。この草案は採択されましたが、依然として多数の意見が表明され、それらを解決する必要が生じました。想像できるように、草案承認プロセスは非常に長い時間を必要とし、事実、完了までに数年を要します。草案が承認され、また最も重要なこととしてテクノロジに関する議論が完了した後も、規格草案は複数回のレビューと承認プロセスという長い道のりを経由し、ようやく規格の最終的な承認に至ります。通常、このポイントに達するまでにもう1年を要します。このようないきさつを経て、今あるIEEE 802.11ax規格が策定されました。

ここまでがIEEEのプロセスです。では、Wi-Fi Allianceによる認定はどのようなものでしょうか? IEEEの場合と同様、最初は1つ以上の作業部会が新しい認定の必要性を検討します。この場合は、Wi-Fi6です。ここでも、作業部会は複数の業界メンバーで構成されます。事実、メンバーの多くは、IEEE作業部会に参加しているのと同じ個人です。最初はMarket Requirements Document (MRD、市場要求仕様)を策定し、認定プログラムの目標を定義します。この文書は、その時点で最新のIEEE規格草案に基づいています。

一般的にこの作業を開始するのは、IEEE作業部会が技術要件を安定させた時点であり、通常は草案2または3あたりの時期です。チップセット製造元が11axチップセットのリリースを開始するのもこの時期です。製造元は、標準化と認定が完了するまで待つことはできないからです。WFA作業部会はIEEE作業部会と同様の運営であり、週ごとの招集と定期的な対面会議を行って、認定でどの機能を定義するかを決定します。IEEE規格で識別されたすべての機能が最終的な認定プログラムに収載されるとは限りません。さらに、一部の機能は必須として識別され、他の機能はオプションとして識別されます。

フォームの終わり

業界の製造元、ベンダー、組織を代表する作業部会のメンバーによる投票に基づいて、すべての決定が下されます。認定の対象となる機能と要件を定義した後、認定のテスト プログラムを策定します。すべてのテスト プランについて論議し、投票を実施して、一連の「プラグフェスト」のスケジュールを設定します。プラグフェストとは、複数の製品ラインにまたがって11axの互換性と相互運用性を検証するためのマルチベンダー テストです。これらのプラグフェストは、基本的な接続を確立する非常にシンプルなテストから始めて、一連のテストが進むにつれて徐々に複雑になってゆきます。すべてのプラグフェストが完了した時点で、テストから取得したデータを使用して公式のWi-Fi6 認定テストプランを策定します。

執筆時点はこの段階であり、2019年第3四半期に認定テストを開始するスケジュールを設定済みです。おわかりのように、チップセット製造元は標準化の完了と、Wi-Fi AllianceによるWi-Fi6認定の完了のどちらも待つことはできませんでした。その理由は、技術的要因は既に確実に設定されているからです。これは、最後の少数の認定を実施するための一般的なプロセスです。

これらすべては何を意味するのか?

結論として、テクノロジは策定済みであり、現時点で変更を加える予定はなく、「認定可能な」製品を提供しているベンダーからそのような製品を購入することは安全です認定可能」とは、注目するべき非常に重要なポイントです。いくつかのベンダーは、設計サイクルのごく初期にあったWi-Fiチップセットを選択して製品を急いで出荷したため、それらの製品はWi-Fi6認定の要件を決して満たすことがありません。これは、ソフトウェアではなくハードウェアの問題です。

この点についてベンダーに問い合わせ、データシートを参照して「11ax compatible」(11ax 互換)または「Wi-Fi6 compliant」(Wi-Fi6準拠)のような記述を探してください。このような記述が見つかった場合、特に懸念を抱く必要があります。一方「11ax
certifiable」(11ax認定可能、またはより重要な「Wi-Fi6 certifiable」(Wi-Fi6 11ax認定可能)という記述が見つかった場合、その記述は 2019年Q3に始まるテストを実施する際に、その製品がWi-Fi Allianceの認定要件を満たす見込みであると約束しています。

以下のExtreme Wi-Fi6製品は準備ができています。

·        AP510ie

·        AP505i

皆様がWi-Fiの次期アップグレードやベンダーの選択に関してスマートな決定を下すうえで、筆者の説明がお役に立つことを希望しています。

IEEE 802/11ax規格とWFA認定の状況を追跡するには、以下のリソースを定期的にご確認ください。

·        802.11ax (およびIEEE802.11の他の規格)

·        Wi-Fi Alliance Wi-Fi 6

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